大判例

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東京高等裁判所 昭和39年(行ケ)76号 判決

原告は、特許庁に対し昭和三五年七月一八日にした本件特許出願について拒絶査定を受け、この拒絶査定に対する審判請求のための期間は職権により昭和三八年一〇月一九日まで延長されていた。原告は、さらに、この期間内である同月一七日に、同期間を同年一一月一八日まで延長するようその許可を特許庁長官に求めた。ところが、本件審決は、これをした審判官が右延長請求のされていることに気づかず、したがつてまた、その許否の判断のされていないことを知らないまま、原告が昭和三八年一一月一八日にした本件審判の請求をもつて、同年一〇月一九日までとされた法定期間経過後の請求であり不適法のものであるとして却下した。

このように昭和三八年一〇月一九日まで延長された右法定期間をさらに延長することの許可を求める請求がされた以上、原告においてその撤回の意思を表示した等特別の事情の認められない本件では、特許庁においては、この請求に対し特許庁長官が許否の判断を示すべきものであることはいうまでもない(特許法第四条第一項)。

一方、特許庁の手続において従来、拒絶査定に対する審判請求につき一か月以内で審判請求期間の再度延長の請求があつた場合、一律に請求どおりの延長が認められて来たことについては、被告も自認するところであるところ、原告は、本件において右取扱の例にかんがみ、前示のとおり当初に延長の許可を得ていた期限である昭和三八年一〇月一九日から一か月内の日である同年一一月一八日までの再度延長の請求を合式にし、その許可を得られるものとの考えのもとに同日本件審判の請求書を特許庁に提出したものであることが、成立について争のない甲第三号証、同第五号証および前示争のない事実により明らかである。

以上のとおりであつて、原告から期間延長の請求が特許庁にされこれに対する許否の判断がされるべきであり、しかも、これを拒否すべき事情が少しもうかがわれないにもかかわらず、この請求の存することに気づかずこれに対する許否の判断のないまま、たやすく、本件審判の請求がその請求期間経過後のもので不適法であるとした本件審決は,結局、審判における当然の前提である右事項に思いをいたし審理を尽すべきであるのにこれをしなかつた点において、審理不尽の違法があるものというのほかはない。よつて、本件審決を違法としその取消を求める原告の本訴請求は、理由があるから、これを正当として認容すべきものとする。

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